本作収録当時のベツレヘムで聴けるジャズは入り組んだアンサンブルの妙と
感情的なサウンドをかなり抑えたソロのブレンドという
所謂ウェスト・コースト・ジャズに良く見られる特徴の良く出たジャズが
主流になっている。
本アルバムはそれが半分ぐらいと、ハードバップと呼べる演奏も半分ある。
リーダーのマックス・ベネットはスイングの人気者のバンドを経て
54年スタン・ケルトン楽団に入って西に住み着いている。
スタン・ケルトン楽団は演奏テクニック秀逸、モダン気質満杯の若きミュージシャンの宝庫だったが
その同僚のロソリーノ、マリアーノ、ウィリアムソン、リーヴィーとのロサンジェルス録音は
アドリブに取り組み、ビバップ指向でいて、リズムやメロディ解釈におおらかさのある当時としては
モダンなものでハードバップ的だ。
個人的には「パウエル命」だった頃のウィリアムソンのピアノもバップ・カラーの
促進に貢献している。
リーダーのマックス・ベネットは太いトーンで推進力充分。
オールラウンドな適合性を持っているベーシストだけに、ロサンジェルスの
特A級スタジオ・ミュージシャンとして長く活躍する事になる。
マックス・ベネット・プレイズ/マックス・ベネット
J.R.モンテローズ/J.R.モンテローズ ジャズアルバム紹介 に加筆・修正を加え転載。
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